DOGS AND BOOKS

人生は犬と一緒に歩いて身近な自然にかくれた秘密を探す旅。とくに犬に学ぶ旅は終わりのないライフワーク。

命を守る手の「約束」

こんばんは。
本の紹介をしま~す。
キリンのリンリン

フレーベル館ジュニア・ノンフィクションのシリーズから
森由民著「約束しようキリンのリンリンーいのちを守るハズバンダリー・トレーニングー」2013
という小学校中学年~高学年向けの児童書です。
実はこの本は、現在、書店(ネット書店も)でお取り扱いがなく最寄りの図書館で借りるしか読めない本です。

本の副題にある「ハズバンダリー・トレーニング」については、こちらの記事を参考になさってくださいませ。



この記事になった青木愛弓先生の「イヌとの暮らしを変える『やさしい手を目指して』」のセミナーは私も2年前に受講しました。実はイヌだけでなくネコバージョンにも


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キリンのリンリンの本は、動物園のキリンに麻酔なしで健康管理のための処置を受けられるようにするまでの飼育員さんの奮闘記です。
犬よりも何倍も繊細で人を怖がる大型動物が、トレーニングによって、じっと採血をさせてくれたり、爪を削らせてくれる。すごいですね。

シェアした記事の終盤に

「ちゃんとやれば野生動物にも教えられることなのに、これだけ人間に対して友好的な犬にすら教えられていないのは、完全に飼い主側の怠慢だ」ということ。

という私たち飼い主には少々ココロに刺さる言葉があります。
青木先生流に言うと『いろいろやらかしている』訳ですね。



無理やり他の犬に近づけたり、嫌がるのもかまわずブラッシングや爪切りをしたり、動物病院で押さえつけて採血や注射をしたり…

やっているって言うことですね。う~~刺さる
では、ハズバンダリー・トレーニングを習えば誰でもできるようになる?

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キリンのリンリンは、柴田さんがトレーニングで使うおやつを入れたポーチを腰に下げてトレーニング用の道具を持って来るのを見ると、自分から柴田さんのほうに近づいてくるそうです。嫌だったら遠くに逃げてしまうことだって出来るのに。

飼育員の柴田さんが、いつもリンリンを叱ったり脅したり痛みや苦痛を与えている人だったら、リンリンはトレーニングに応じただろうか?
本のタイトルに「約束しよう」とあります。
ーーーー何を?
この「約束」が動物と接する人間にとって大切なこと。
信頼関係と言い換えることもできるし、もっと易しい言葉で言えば「私はあなたに決して酷いことはしない。」っていう約束かな。

『柴田さんが導いてくれるならきっと大丈夫だ。』とキリンが信じてくれることじゃないかな?(キリンの言葉にしては長すぎる


犬も同じだと思います。
犬はいつでも気軽に触れるがゆえに、
何かいけないことをしたからと犬にデコピンしたり、吠えをやめさせようと犬のお尻をピシャっと平手打ちしたりも出来てしまう。その手が、約束を果たせるかな?
『爪切りの時はもちろんそんなことしないし』って飼い主は思うけど
大事なことは、飼い主がどうかではなく、言葉の通じない犬がそれを信じてくれるかどうか?ですね。


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リンリンの本は買えないのですけど、ぜひお近くの図書館で借りて読んでみてください。
児童書ですから、文字は大きくて言葉も易しいので、1時間もあれば読み切れます。

なによりも、リンリンと柴田さんたち動物園の人たちとの真剣で思いやりある関係にとても心が温まると思います。そして、これと同じことは犬にも言えるし出来るはずだと勇気を持ってもらえたらいいなと思います。