DOGS AND BOOKS

人生は犬と一緒に歩いて身近な自然にかくれた秘密を探す旅。とくに犬に学ぶ旅は終わりのないライフワーク。

親友のためのとっておきの一冊

親友が本の紹介をしているブログ読んでくれて

「面白そう。私も読んでみる。」と!(^^)!

 

ブログ内で紹介した本も興味深いけど

「いっちばんのおススメを教えて!」ということだったので

よっしゃ!と気合入れて本選びしました。

 

彼女の本業は歴史研究で

今は有名予備校でも授業する人気講師です。

教科書にはない面白いエピソードをたくさん知っているので

きっと授業は楽しいんだろうな♪

そんな彼女なので、古い資料を読んだり文献調査は得意。

ということで、本読み上級者なので

遠慮なく選択肢の幅を広げて…

 

わたしひとりによる( ´艸`)厳選なる審査の結果

とっておきの一冊に選んだのは

honto.jp

 

'CANINE CONFIDENTIAL'っていう原題、なんか好きです。

confidentialは「秘密」っていう意味なんでしょうけど

secretでなくこの語なのがいい感じ。

confidentialには「信用のおける」とか「腹心の」みたいな意味があるらしいので

犬と人との絆に込められた思いを

ちょっとにおわせているのかな~なんて勝手な想像しています。

日本語タイトルは「犬の秘密」だけでは、ちょっと物足りないせいか、

長いタイトルに、これはこれで個性的。

黄色主体の装丁も気に入っています。

 

著者のマーク・ベコフさんは

  • 犬から犬らしさを奪うトレーニングを嫌い
  • 人は犬のもつシステムをもっと学ぶこと
  • 犬にはプラス思考の教育をすること
  • 飼い主こそが犬について学ぶ「市民科学」を推奨し
  • ドッグパークに出向いて実践している人

 

また、犬だけでなくいろいろな動物についても研究しています。

だから動物全般に汎用化できるものの見方や考え方が

随所に見え隠れしているところも奥深い。

 

そして、何より「これは!」と思うところはエビデンスの高さ。

全9章、計337頁からなるこの本には

330件を超える引用文献リストがズラリ。

ここまではだいたいわかってきていてこのような結論が導ける

ということと

これについてはまだ根拠が少ないのでよくわかっていない

ということを謙虚に明快に述べている。

誠意あるその姿勢がそのまま犬への愛に。

 

そこは、どことなくテンプル・グランディンさんとも共通するところがあります。

 

honto.jp

 

ベコフさんは毎日のようにTwitterを通して動物研究やニュースなどについて多くの発信もされています。

 

この本のなかで私が深く心から同意する一文をご紹介します。

 

(犬を教育する)目標は、犬を犬じゃなくするために訓練するのではなく、犬に人間の世界での対応の仕方を教えることだ。(p284)

 

 

昨日書いたブログ↓

 

tellmore-mom.hatenablog.com

体罰をしているプロを許せないのは

非人道的というだけでなく

プロなのに「犬という種を理解していない」こと。

マーク・ベコフさんがこれだけの紙幅を使って

一貫して伝えようとしているメッセージは

「犬は犬だから愛される」ということ。

だから、犬らしさに無理解なことをよしとしません。

 

 

いちかいぬしが、たったこの一冊の本からでも了解できる

そのシンプルなことがプロによって蔑ろにされる

それが、自分の犬ではなくとも許されることではない…

そう思います。