DOGS AND BOOKS

人生は犬と一緒に歩いて身近な自然にかくれた秘密を探す旅。とくに犬に学ぶ旅は終わりのないライフワーク。

犬への読み聞かせプログラムが教えてくれること

Shelter Buddies Reading Program(シェルターの犬への読み聞かせプログラム)
についての記事をシェアします。

シェルターにいるシャイで臆病な犬たちに子どもたちが絵本を読み聞かせるのだそうです。



こちらはこのプログラムを紹介している英語版の記事です。

 実は、先にシェアした日本語の記事では割愛されている内容が英語版にはありました。

ボランティアになる子どもたちは、事前に犬たちがストレスを感じた時に示すボディランゲージの読み方を練習します。
さらに、犬たちがみずから子どもたちの方に向かって歩いてきたら、ご褒美を投げ入れてその行動を褒めてやることも子どもたちは習うのです。
犬はこうしてご褒美をもらうことで、人間を見たら近づいてくるようになる訳ですね。
なぜこのようなことをするのかと言うと…
人間の姿が見えても近寄って来ない犬よりも積極的にそばに来る犬のほうがより里親から選ばれる確率が高まるからだそうです。
こういうトレーニングを受けてから、子どもたちは犬舎の前で読み聞かせをします。


日本語版で割愛されてしまった内容はとても大事だと思うんですね。
このプログラムで、怖がりや臆病な犬だけでなくハイテンションな犬も穏やかに落ち着いてくる効果が出るのだそうですよ。

素晴らしいですね

このプログラムは犬を直接に触るということをしないんです。
そこがポイント
犬は強制的に人に触られることなく人に慣れていくことが大事。
ガラス越しに犬が自分から子どもに近づくかどうかを犬自身が決められるようになっているところがスゴイです。

いっぽう、このプログラムは子どもたちにもメリットがあります。
子どもたちは犬が感じている恐怖を犬目線で理解し動物への共感が育まれる。

これは、犬にも人にも両方にメリットがあるフェアなプログラムですね。

動物介在教育や動物介在活動が日本でも取り組まれているけど
そこに参加する犬たちは、人に近づくかどうかを犬自身が決められるようになっているでしょうか?
また、それらの教育や活動が目的を達成するためには、必ずしも動物に直接触る必要はないのだということをこのプログラムが教えてくれていますね。

Shelter Buddies Reading Programは2015年に始まり今でも継続されているようです。

今ではそのプログラムは他でも活用できるようにガイドラインが作成され公開されていました。
日本でも、こういう動物と人と両方の福祉に配慮した質の高いプログラムこそどんどん真似して取り入れたらいいのに…って思います。

もっと言えば、怖がりやシャイじゃない普通の犬たちも同じなんです。
犬はいつでも人に触られたり撫でられるのが当たり前とか
犬だから撫でられたら喜ぶに決まっているとか
それはみんな人間側の勝手な思い込み。

撫でてほしいのか、そうでないのか、それを決めるのは犬。
決して強制するものではないし無理に慣れさせるものでもない。
犬のほうから自然に近づいて来たくなったり、撫でてもらいたいと思ってもらえる飼い主にならなくちゃ…ですね