偶然、テルモが私の右側に廻り込んだ瞬間をとらえて褒めます。
褒め方は舌をタンタンと打ち鳴らします。
(この舌で鳴らす「タンタン」はテルモと私の間で予め決めておいた「正解!」の合図です。)
この「タンタン」を正解の合図にするにはどうすれば良いでしょう?
やり方はとっても簡単です。
『舌をタンタンと鳴らしたらおやつ(食べ物)をあげる』これを何度か繰り返す。
以上
タンタン→おやつ
タンタン→おやつ
タンタン→おやつ
…以下繰り返し…
なぜ、こんな簡単なことで、タンタンが褒める合図になってしまうのでしょう
それは心理学で言う「古典的条件づけ」という学習の仕組みによるものだから。
”パブロフの犬”はご存知ですか?
「ベル→食べ物」を何度か繰り返していると、ベルの音だけで犬が唾液を出すというあれです。
ベルが鳴るだけで犬は食べ物がもらえることを予測できる。
ベルと食べ物には関係があることを犬が学ぶということですね。
もちろん、これは犬だけでなく猫でも象でも人間でも共通の学習の仕組みです。
この本の166頁にこんなふうに書かれています。
クリッカーのカチッという音をタンタンに置き換えて読んでみてください。
合図を選んだら、古典的条件づけを使って、そこにポジティブな感情を「充電」しなくてはならない。
…中略…この音が褒美を意味するようにするには、カチッという音に続いて褒美のおやつを与える、というのを何度か繰り返すだけでいい。カチッ、おやつ、カチッ、おやつ、カチッ、おやつ、というのを十分に繰り返すと、クリッカーの音が、実際にもらえる褒美のおやつの長所を引き継ぐようになる。これで、学習された「二次報酬」が出来たわけだ。
このような方法でいろいろな「ポジティブな感情を充電された」良いもの、嬉しいものをあとから作ることも出来ますね。
タンタンやクリッカーの機械音だけでなく「いい子だね」「good」「天才!」「上手ね!」「すご~い!」などの言葉だってもちろんOK!
ただし、この「古典的条件づけ」は、痛みや苦痛、恐怖などの嫌なものがあとに来てしまうと、それはネガティブな感情を充電された嫌なものになってしまうので注意しないといけないですね。