こんにちは。
先日,こちらのアーカイブを拝見しました。
超高齢社会の「社会的孤立」解消に取り組んでいるコレカラ・サポートさんが開発中の「まちのつながり図鑑」というシステムのトライアルレポートでした。
コレカラ・サポートさんは,「社会的孤立」という現象をより多くの人によりリアリティをもってジブンゴト化できるようにと,協力型ボードゲーム「コミュニティコーピング」を開発されました。
このボードゲームという仮想空間の中で,各参加者がそれぞれの地域住民になります。そして,自分たちの周りにいる問題を抱えて孤立orしつつある人たちをプレイヤー全員が協力しながら助けていく疑似体験ができるようになっています。
私自身も,このボードゲームをオンラインや対面で何度か体験させていただきました。
ルールが少し複雑なので,認定ファシリテーターの方がひとりついて,ゲーム進行を調整してくれます。そして,ゲームプレイしたあとに参加者全員での振り返りします。
この振り返りによって,各人が
- 自分の場合はどうだろうか?
- 自分の周辺には孤立しつつある人はいるのだろうか?
- もし,いたとしたら自分に出来ることはなんだろう?
- 自分が困ったときに誰にSOSを出せばよいだろうか?
などなど,ゲームでの疑似体験を今度は自分自身と自分が暮らしているコミュニティに投影させて,ジブンゴト化するためのレビューをする。
この振り返りをファシリテートするためにトレーニングを受けたのが認定ファシリテーターの皆さんです。
実は,このボードゲームは私のお仕事でも導入させていただきました。
若い学生さんたちが参加してくれたのですが,自分が暮らすコミュニティを初めて意識するきっかけになっています。自分だったらこんなことができるかもしれないという,地元とのつながりの糸口を見つけようとする人も。
「まちのつながり図鑑」は,コミュニティコーピングでジブンゴト化した参加者達が,その先のactionへと導くツールという感じでしょうか。
ちょっと話が飛びますが
私はTwitterをやっていますが,先週後半はタイムラインでtweetが取得できない状態になりました。
どうやら,Twitterを提供している会社が,AIや自動システム等による情報のスクレイピングに一時的に制限をかけたのがその一因だったようです。
スクレイピング??
調べてみると,スクレイピングは,ネット上にある様々な情報を探して,それを自分たちの目的に応じて加工してアウトプットすることらしいですね。
「まちのつながり図鑑」は,言ってみれば,とてもローカルにかつアナログで自分たちの周りにある「つながり」をスクレイピングすることに似ている気がしました。
レポートでは,看護専門学校の学生さんたちが地域を歩き回って,商店の店長さんにお話しを聞いて,次にはその店長さんが紹介してくれた町の人のところへ行き,またお話しをうかがう。
そうやって,得られた情報を「つながり図鑑」としてアプリにプロットしていくことで「まちのつながり」が一目で見渡せるマップになる。
まちに散らばっている「つながり」を人が歩いてスクレイピングしていくことに,重要な意味があるような気がします。
AIによる情報収集では,人は動きませんし,人と人とが出会うことはありませんが,「まちのつながり図鑑」では,地域の様々なところにいるフォーマル/インフォーマルな人々のつながりが,誰かがそこを訪ねて行くことによって明らかになります。
また,人が媒介していくことで,もしかすると当人たちもあまり意識していなかったうっすらしたつながりが,もう少し濃くて立体的なものとして立ち上がってくることにもなるのかもしれない。
まだ,リリース前のトライアルなので,これからさらに詰めていくべきところはあると報告されていました。
例えば
・スクレイピングはどんな頻度で誰が行うのか
・アーカイブされた「つながり」を誰がいつどのように利用するのか
・どのような大きさのエリアで区切るのか
などなど
もちろん,アプリとしてリリースされた場合には,Twitterと一緒で本来の「スクレイピング」に対するガードなども用意しておかねばならないでしょう。
つながりとしてプロットされるエレメンツが有益であるほど,個別性が高まると予想されるので二次利用による不具合などにも対処しなければならないかもしれないですね。
さて。
私は,Dog personなのですぐに犬に話がつながります(笑)
犬の散歩は,まさにスクレイピングじゃないの?
犬がせっせと道端を匂い嗅ぎする。
誰かの匂いで犬的に意味ある情報を収集して,脳内データベースに収めていく。
いつか,どこかでその匂いの持ち主に出会ったときは,そのデータベースの情報をもとに犬的つきあいを展開し,また新たな情報がデータベースに更新されていく。
そんな妄想が浮かびました。
そして,これって犬だけでなく飼い主である人も同じ。
犬の散歩は,人にとっても「まちのつながり」を足で作る貴重な機会でもある。
犬を散歩させる人が多いまちのほうが,少ないまちよりも人々の近所づきあいが活性化するとかなんとかいう調査報告が以前あったような…。
犬にとっても,人にとっても「散歩」は,案外と社会的スキルを磨けるチャンスなのかもしれないです。
今日も読んでくださってありがとうございました。