DOGS AND BOOKS

人生は犬と一緒に歩いて身近な自然にかくれた秘密を探す旅。とくに犬に学ぶ旅は終わりのないライフワーク。

映画「こころの通訳者たち」とbody languageとか

こんにちは。

 

昨日,この映画↓を見て来ました。

 

cocorono-movie.com

 

映画館に行くこと自体,何十年ぶりでした。

そして,映画館でこれまた何十年ぶりの旧友にばったり。

そして,何十年ぶりの狸小路を歩き

素敵なカフェに行ったあと北海道庁本館で木育パネル展を見学。

パネル展は,誰もいなくてただ各種パンフを置いているだけでちょっとがっかり。

でも興味を引かれたパンフはもらってこれました。

 

さて,映画のこと

「凛然グッドバイ」というお芝居に手話通訳をつけた手話通訳劇が話の始まり。

演劇に手話をつける。

ただセリフを手話にするだけでなくて通訳者も演者として舞台で演じる。

なので手話演者というのが正しいでしょうか。

それだけでも,かなりレア度高い。

そういうのがあるんだなあ…

さらに,その手話通訳劇を目の見えない人に届けようという試みが立ち上がった。

その試みに挑んだ皆さんのドキュメンタリー映画です。

そして,その映画自体にも聞こえない人のための字幕付き,見えない人のための音声ガイド付き…となっている。

わかります?^^;

 

場面によってはすごく多重な音声が流れて来るんですね

だから,一回見たぐらいではちゃんと見切った気がしない

一回だけで安直に「素晴らしかったわ!」と言ってしまったら失礼にあたらないか?

それが正直な感想です。

 

実は何十年ぶりに再会した友人は全盲なんです。

だから,UDcastで副音声のガイド聞きながら見てたんだと思います。

その彼女が,まさに私と同じ感想をサイン会で山田怜於監督に話されていました。

「頭を整理しながら,もう何度か見たいですね。」

私だけじゃなかったところにちょっとほっとした次第。

 

映画の中から,特に私が「犬の変態さん」的視点で『お!』と思ったところをふたつご紹介します。

 

演劇の手話は,言葉をそのまま手話にする訳ではありません。

どちらかと言えば「演者の表現しようとしているものを手話にする」のですね。

 

だから,手話演者は表情や視線も意図的に使います。

実は,手話とはもともとそういう言語であるということを映画を見て知りました。

表情にも視線にも文法があるのだと。

 

特に視線・・・ひとりの手話演者のかたが

「視線には誘導の意味がある」とおっしゃっていました。

そう言えばそうですよね。

二人で会話しているとき,話し手が視線をどこか別のところに投げると,聞き手は思わずそちらを見ますよね。

犬も視線を使って語りけてきますよね。

視線で自分がほしいものを示してきますでしょう?

おやつがほしいとき,おやつを入れたタッパ―に視線を投げたあと飼い主を見つめる。

一度で通じなければ,それを繰り返す。

そのとき,飼い主も犬の投げた視線のほうを思わず見ますね。

 

そして,もうひとつ。

また,別の手話演者が「瞬きには意味がある」とおっしゃいました。

ある場面,手話での発話と発話の間で瞬きをされたんですね。

それを「あの瞬きは不要でした。」と振り返っていらっしゃるんです。

 

どうです?

 

視線

まばたき

 

どちらも犬のボディランゲージですよね!

人間だって同じで

耳が聞こえない人達はずっとこうしてそれを意図的に使い文法化していたんだ

改めて思いましたね

 

犬の学び舎で学んでいる私は,犬のボディランゲージを知ってそれを私たちも使います。

やればやるほど気がつくのです。

 

自分も同じことしているなあと。

 

相手に圧迫感を与えないようにそれとなく視線をはずしたり(犬は視線を合わせない)

顔の向きを変えてみたり(犬ならhead turn)

 

弧を描いて近づくことこそしませんが

着席行動ではどの位置に座るかとても気にします。

私は,よほど親しい間柄=家族とかを除けば,できるだけ対面にならないような位置取りをしようとします。

実はこういうのは社会心理学では既に研究されて定番化している知見です。

 

昨日,映画のあとに行った素敵なカフェ

ひとりだったので気にしませんが

小さなティーテーブルのあちら側とこちら側の対面席

親密な仲の人と行くのがおススメ^^;;

雰囲気が予想できるエントランス

はじめてのレモンコーヒー美味しかった

親しくても私が一番落ち着けるのは「カウンターに隣り合って座る」ですね。

ずっと目を合わせないで過ごせるから。

そういう意味で私はカウンター席がけっこう好きです。

 

「犬の変態さん」以外の視点でもたくさんの発見がある映画でした。

ふつうのシネコンでは上映しないタイトルなので

気軽におススメしずらいのですが…

 

GWはどこも混雑してるから遠出はしないという

関東圏のかたはぜひシネマ・チュプキ・タバタでご覧になってくださいませ。

シネマ・チュプキを作った平塚千穂子さんは

この映画のプロデューサー兼出演者でもあります。

 

そして,シネマ・チュプキは日本で唯一

見えない人も,聞こえない人も,感覚過敏の人も,赤ちゃん連れの人も

みんなで一緒に映画を見れるユニバーサルシアターです。

 

横浜に住んでいるうちに行けばよかった…

 

今日も読んでくださってどうもありがとうございます(。・ω・。)ノ♡&✌