DOGS AND BOOKS

人生は犬と一緒に歩いて身近な自然にかくれた秘密を探す旅。とくに犬に学ぶ旅は終わりのないライフワーク。

「名前を呼んでおやつ」貯金(^^)

テルモとタンポポ
今日はお父ちゃんがお休みだったので朝ん歩みんなでのんびりと…。
近くの公園でタンポポがいい感じに咲いていました。
ライラックも開花の気配

ライラック

若い頃は草花を見て、こんなふうに気持ちが和むっていう余裕がなかったような気がします。
『咲いてるな~』とは思っても、ゆっくりと眺めたりしてなかったかな…




犬界では有名なスタンレー・コレンさんの本。
160頁から古典的条件づけ(パブロフの犬のあれですね)について書かれています。

普通の人はそれ(古典的条件づけ)を知らないか、めったに考えることはない。だが、これは非常に重要かつ基本的な学習の形で、実世界で起きている出来事と、ある動物個体がそれに対して持つ情動反応の間に関連性が生まれるのは、このおかげなのである。

また、パブロフの犬がベルの音で唾液を分泌するようになることについて

犬はそれを望む必要もないし、学習の過程に積極的に参加する必要もないーーそれは自然に起きるのだ。

と述べています。

レーニングと言うと、犬に何かをさせたり覚えさせたりすると考えますが古典的条件づけは違うんですね。
この仕組みを利用したのがチャーリードッグスクールの「名前を呼んでおやつ」です。

犬はただ名前を呼ばれたあとにおやつをもらうだけ。犬は受動的で良いのです。
簡単なのに、その威力の大きさを先日の引越移動の最中に実感しました。

フェリーで車から船室までテルモをカートに乗せて移動しました。
もともとカートはちょっと苦手だったので、大丈夫かなと思っていました。
念のため、カートに乗っている時に食べられるおやつ入りコングも用意しておきました。

フェリーカート
テルモが乗ったカート↑

でも、カートに乗ってコングをあげても食べませんでした。
やっぱり緊張してたんですね。
だから「テルモ~いい子だね。」と声をかけながら移動しました。
なんとかパニックになることなく船室まで静かに乗って行くことが出来ました。

でも、もしこの時、テルモを落ち着けるために「コングを食べさせる」ことしか知らなかったら?
食べてくれないことで、私自身も焦ってしまったかもしれない。

でも、私には「名前を呼んでおやつ」という貯金がありましたから、食べられないテルモを見て『食べられないんだね。』と思っただけで慌てることはありませんでした。

この時ほど「名前を呼んでおやつ」の貯金の有り難さを実感したことはなかったかも
「名前を呼んでおやつ」は犬の心に直接、安心を貯めると同時に私自身の安心貯金にもなっていたと思います。