DOGS AND BOOKS

人生は犬と一緒に歩いて身近な自然にかくれた秘密を探す旅。とくに犬に学ぶ旅は終わりのないライフワーク。

野生動物との棲み分け

2日ぶりにこんにちは。
昨日は昼間はちょっとバタバタして夜になってから学び舎の宿題と格闘して
そしたら、あっという間に日付が変わってました

ということで2日ぶり。
1月にブログを書き始めてから連日でアップしなかったのはお初かも

続けるってなかなか難しいな~~燃料とネタが切れる

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前回も書いた下の↓オンライン講義のレポート。
今日はその後日談…



この講義の中で昨年2019年8月に札幌市内南部市街地にヒグマが出没して、どんどん住宅地に侵入して来てしまい、結果射殺せざるを得なくなったということが話題に出ました。

それでちょっと調べてみました。

道内各地でクマは出没しています。
札幌近郊でも去年は6月からクマが別な広い自然公園でも監視カメラに姿が録画されていました。
深い自然林のある公園なので野生動物が生息しているからクマだっていますね。
ただし、人の生活圏に危害が及ばない限りはそっと近づかないでおくという事です。

そしてそれから、2か月後に別の南側の市街地付近に出没したのでした。
6月に録画された個体と同じかどうかはわかりません。


札幌市には生物多様性保全課という部署があり、野生動物についてもとても詳しく載っています。
上のヒグマのページにはヒグマの行動範囲は、オスは数百㎢、メスは数十㎢だと。
6月の出没地点と8月の出没地点は直線距離で30㎞以内で、しかも札幌市外周を取り囲むようにある森林地帯で2地点は繋がっているので、同じ個体の可能性はあります。
クマは意外に行動範囲が広いのですね。

そして、このクマは畑のとうもろこしを食べたり住宅地の道路まで出てくるようになり2019年8月14日にやむなく猟友会によって射殺されました。



8月に思いがけず人間の生活圏にごく近いところに出没したクマを多くのメディアが取材しようと押しかけたようです。その中のおひとりだった朝日新聞記者の片山健志さんが、その取材がクマの人慣れに与えた影響について振り返っていらっしゃった記事です。
これは先日のオンライン講義で教えてもらいました。



札幌市と専門家が作戦を練りながら、なんとかクマを山に帰そうと奮闘する傍らで、報道陣は、その作戦の意図に反するような動きをして、クマをさらに市街地へと押し出したのではないか。
そうして、たくさんの人間たちを遠巻きに観察していたクマは図らずも「人間は怖くない」ことを学習して、短期間で急速に人慣れしてしまったのではないか?
人慣れをしたクマは、夏場に森にある少ない木の実や植物を苦労して手に入れるより、畑になっているトウモロコシや人間が捨てたゴミなどの高カロリーで簡単に手に入る餌ほしさにどんどんと人の生活圏に侵入してきたのではなかったか?
と、考察されています。

このような一連の流れを振り返ると、人と野生動物が緩衝地帯なしに隣り合って生活している以上は、互いの棲み分けを徹底することがいかに重要なのかが見えてきます。

テル散歩の馴染み公園でもキタキツネに餌付けをしている住民がいるようです。
それは、去年のヒグマ騒動の時と全く同じ構図で、人を恐れないキツネを人間自らが作っているのと同じです。そうすれば、キツネは人間の生活圏に侵入することを躊躇しなくなるでしょう。
そうなったキツネの行く末は、去年のヒグマを見れば想像がつきますね。


ヒグマの出没しやすい地域ではこんな取り組みも継続されているそうです。



草刈りや離農した畑に放置された果樹などを伐採して見通しをよくしたエリアには実際クマが出没していないそうです。

  • クマやキツネなどの野生動物が市街地に近づきにくくすること
  • 近づいてきてもゴミなど餌になるものがないようにすること
  • 過熱報道などや餌やりなど、動物の人慣れに予期せぬ加担をしないこと

などで、徹底的に棲み分けるためには、まず人間の側がこうしたことを知る機会がもっとあると良いですね。

犬と暮らしている私たちは、散歩を通じて、そんなことを考えるきっかけにもなります。
(そういえば、朝日新聞の片山さんも犬好きだとか

学びの射程はどこまでも広くて深いです。
だから楽しいのですよね