DOGS AND BOOKS

人生は犬と一緒に歩いて身近な自然にかくれた秘密を探す旅。とくに犬に学ぶ旅は終わりのないライフワーク。

深呼吸して背景にあるものを見る

なるべく書くまいと思っているんですが、やっぱり書いてしまいます。

みなさまの周りはどうですか?感染者が出て騒がしくなっていませんか?COVID-19。

私の周りでは昨日、すぐ近くのスポーツジムに通っていた方が感染していたことが判明して、Facebook上ではこのエリアに住む人たちが俄かに動揺し始める投稿が増えました。

ご近所さん数名のlineグループにもその感染者を知らせるニュースが流れて来ました。

私自身は、先週から感染症やウイルスの専門家の方たち数人をフォローして最新データを分析する記事を読ませていただいています。こういう発信は有り難いですね。
SNSの大きなメリットです。

前職が医療職だったこともあり、多少の専門用語があっても内容はおおむね理解できます。
その前はテレビも見ていたのですが、データに基づかないあてずっぽうな意見や個人的感情を顕にするだけの報道番組が多すぎて辟易してしまいました。
なので先週からはテレビはEテレしか見ていません。
Eテレはとってもいいですよ
いろいろ勉強になる番組があるし、思わずほっこりすることも

おススメは平日のお昼にやっている「趣味どきっ!」ーいまは銭湯のことをやっていてなんかほっとします。
2355も一日の終わりに『はあ~やれやれ今日も終わりだなぁ。』という気分と少しシュールな感じが好きです。
みんなのうた」もふと流れてくるメロディにはっとしたり…。
あとNHK総合ですが、平日深夜にやっている矢部太郎さん原作の「大家さんと僕」
本で読んでいいなあと思っていたらテレビに登場していました。なんかじんわりと胸にしみてくる…。


大家さんと僕
矢部 太郎
新潮社
2017-10-31



あ、話が横道に逸れましたが




専門家の方の記事を読むようになって、ある時から感染拡大を防ぐフェーズから重症の人を救命するフェーズに移行したなという感覚を持っていました。
それを岡部先生がリンクした記事↑の中でおっしゃっています。

感染者がこれ以上増えない=ゼロにすることは無理です。
そうではなく、重症者を少なくし亡くなる人を一人でも減らす。
そのために誰に向けてどんな協力を呼び掛けるのか?

岡部先生がおっしゃっていることは、ある意味少し複雑でわかりにくいのかもしれません。

例えば、「全員外に出ないでください。」などとどんな人にも一律に同じ行動を求める方が受け取る側には分かり易いです。(制限される行動が大きいので窮屈でしょうけれど…)

でも、岡部先生が記事の中でおっしゃるように「若者自身はかかっても軽症で回復するけれども、高齢者や持病のある人に移さないために、ライブや密集した集会などを避けるように協力してください。」という呼びかけは、なかなか正しく理解して受け取ってもらうのは難しいと思います。

また、厚生労働省は「37.5度以上の発熱等が4日以上続いたら専門窓口に相談を」と言っています。
これについても岡部先生は、4日以上待たなくても高熱ですごく具合が悪ければ1日でも2日でもかかりつけ医に相談して良いとおっしゃっています。
そうでなければ、何がなんでも4日以上経過しなければいけないと思って我慢していたら、重症者を逆に増やしてしまいます。


メッセージに込められた様々な背景について説明していかなければ納得してもらうのは難しいですね。
それに対して「全員外に出ないで」には、「移らないようにするため」の一言で片付きます。


何が言いたいのかと言うと、「こんな時はこうしてください。」というのは誰にでもわかりやすいけれど、その背景にあるものを理解したほうが良いのでは?ということなんです。

実はこれは犬との暮らしの中でもよく起こることで
「吠える犬には~~のようにしたらよい。」というような対応はネット上でもたくさん見かけますが、実生活というのはそんなにシンプルにあてはめられない場合がほとんどです。


犬も人もみんな個性を持った命ですし住む環境もみんな違います。


「吠える犬」の例で考えると

  • なぜ吠えているんだろう
  • いつどんな時吠えているんだろう
  • 吠えた時は飼い主はどう対処しているだろう
  • その対処に犬はどのように反応しているだろう
  • そもそも吠えたらいけないんだろうか

などなどいろいろなハテナが浮かびます。
このようなたくさんのハテナに対してプロフェッショナルは、その答えにつながるエビデンスを持っているはずです。
たくさんのハテナにエビデンスで答えていくと、吠える犬への対応はケースバイケースで色々あり得ることも見えてくるだろうと思います。

その上、エビデンス(科学的証拠)もここ数年でどんどん発見が増えて日進月歩です。

ですから、暮らしのベースになるエビデンスをプロフェッショナルと呼ばれる専門家は必死で追いかけていかなければならないわけですね。
そのベースがあるからこそ、飼い主さんと犬の暮らしを適切にサポートすることが出来るのだと思います。

「吠える犬には~~のようにする。」のその「~~」のところはエビデンスに基づいているのかどうか?それを詳らかに説明できる人こそがプロフェッショナル…かな。
もちろん、まだまだエビデンスが追い付いてないわからないところもあるので、それはそのように言えることも飼い主さんと犬への誠意ですよね。

私たち飼い主がいつも気をつけていたいことは「~~するとよい」にただ飛びつくのではなくて、いったん深呼吸して、その背景にあるものに目を向けられる『落ち着き』かな

まず、いったん深呼吸して落ち着きましょう

そして『誠意あるプロフェッショナル』の意見を聞いて少しずつでもゆっくりでも理解したいですね。
それが一緒に暮らす犬を守ることにつながるのかな。