DOGS AND BOOKS

人生は犬と一緒に歩いて身近な自然にかくれた秘密を探す旅。とくに犬に学ぶ旅は終わりのないライフワーク。

匂いという記憶箱(センス・オブ・ワンダーから:その2)

連休も残るところ1日になりましたね。
と言っても我が家は今日から通常運転しています。


このお花はなんでしょう?
カントウヨメナかなあ?ですが、青森以北では自生しているとかいないとか。
カントウヨメナ?

ゲンノショウコの種が開いているのを発見しました!
そうそう。やっぱりこれだよネ(^^)
ゲンノショウコ実
かわいくないですかユニークですよねえ。

今日も「センス・オブ・ワンダー」から引用してみますね。

センス・オブ・ワンダー
レイチェル カーソン
佑学社
1991-06T



自然のいちばん繊細な手仕事は、小さなもののなかに見られます。(32頁より)


また、いろいろな木の芽や花の蕾、咲きこぼれる花、それから小さな小さな生きものたちを虫めがねで拡大すると、思いがけない美しさや複雑なつくりを発見できます。それを見ていると、いつしかわたしたちは、人間サイズの尺度の枠から解き放たれていくのです。(35頁より)


小さなものをじっと眺めていると、そのサイズの世界に引き込まれていくような気がします。
人間サイズの枠から解放される時ですね。

また、視覚だけでなく、幼い頃に歩いた海辺の空気は、さまざまな匂いを含んでいる。大人になってから再び、海辺の空気を吸い込めば、そのにおいで当時の楽しかった思い出が蘇るとも書かれています。

嗅覚というものは、ほかの感覚よりも記憶をよびさます力がすぐれていますから、この力をつかわないでいるのは、たいへんもったいないことだと思います。(36頁より)



人間は視覚優位の生き物ですが犬は嗅覚優位の生き物。
匂いという箱にたくさんの記憶を詰め込んでいるに違いない。

犬学先生の雷を怖がる愛犬さんとのエピソードを思い出しました。
大好きなお肉をフライパンで焼く。
その美味しい匂いが雷にも勝ると。

でも匂いだけではないような気がしますね。

普段から「嬉しい体験を匂いの記憶箱に閉じ込める」という下ごしらえ(これ古典的条件づけかな?)を日々しているからこそ。
飼い主が、いつも食べものを笑顔で優しく「いい子だね。」「おいしいね。」と言いながらあげているという何気ない日常が、いざと言う時に犬を恐怖から救う…かもしれない。


その取り組みは決して難しいものではないというところに希望を感じるんですよね。
テレビで見るような一瞬にして何かが変わる、そんな裏技的なものではありません。
毎日のコツコツとした小さな継続の先に訪れるもの。
でも、私はそのほうが本物だと思うんですね。
命を前にしたとき裏技はいらない。
ともに暮らして同じ場所と時間と体験を共有できる家族だからこそ、できることがあるし、そういう日々の積み重ねそのものが「その犬と暮らす」ことそのものですもんね。