DOGS AND BOOKS

人生は犬と一緒に歩いて身近な自然にかくれた秘密を探す旅。とくに犬に学ぶ旅は終わりのないライフワーク。

他人には言うけど自分はできるかと言うとなかなかね:認知症の父との攻防

こんにちは。

しばらく森ばなしでお腹いっぱいなかたがた,どうもすみません。

 

今日は久しぶりに人間ばなし(笑)

人間のはなしをするのは得意ではない…というか「好きではない」が正しいかな?

還暦目前になって,そんな自分の性格にやっと気がつきました。

人間ほどめんどくさいものはない。そういう自分も人間なので,やれやれな自分を時々持て余しています。

 

昨日,自宅から車で20分ほどの少し離れたところの交番のおまわりさんから電話がありました。迷子になっていた父を保護しているから引き取りに来てほしいとのこと。

 

ついに来たか。

いつかはあるかもしれないとぼんやりと予想していましたが,実際に直面すると予想以上にあたふたするものですね。

 

今回も,いつもお世話になっているご近所のお友だちにテルモを見て頂いてる間に,タクシー飛ばして交番まで行って来ました。

 

父は

「いやあ,迷子になったんだ。今はもうここからは帰れるけどな。」とけろっとしてました。

若いおまわりさんから

「歩くのは体にいいからいいけどね,知らない所はあんまり行かないほうがいいよ。」とたしなめられると

「おんなしとこ歩いてても面白くないからサ。行ったことないとこに行きたいんだワー。」

まったく悪びれるふうもなく,ニコニコと会話してました。

 

迎えのタクシーでは,運転手さんにカクカクシカジカと事情を問わず語りでおしゃべりしながら来たので,運転手さんは交番前で待っててくださいました。

 

父を連れて,タクシーに乗り

「おまわりさんも言ってたけど,知らないところには行かないでよ。」

「ああ,こんなことあったから今度からそうする。」

などとちょっと理解したのかと思ったんですが

色々喋っているうちに,今はすぐに自分の家(つまり私の実家)には戻らず,私の家で待っててもらって父ちゃん(つまり私のオット)が帰ってから送っていくことになると話したら

「ええ?お父ちゃん何時に帰るのさ?」

「7時半ぐらいかな?」

「いやあ,そんなには待てられないから,それだら歩いて帰るワ。」

 

事情を知りつつ話を聴きながら黙って運転していた運転手さんが,ここでブーッ!と噴き出して笑ったのは言うまでもありません。

 

私はと言うと怒ったって意味がないのは,百も承知ながら

「なーに言ってんの!!そんなことしたら,また迷ってわからなくなるしょ!やめてやめて!!」とまあ大声になってるというね…

 

認知症のひと相手に,真剣に腹立てたって逆効果なんだから。

どこ吹く風で「へーえ,そうなの。(´∀`*)ウフフ」とかって対応しなさいヨ~

なんて,常々,母に言うてるワタシがこれですよ。

 

その後も,車内で似たような押し問答を父と娘で何度かやってるうちに自宅到着。

父も渋々,うちで待つことに。

なんせ,朝9時に出かけて一件落着でうちに着いたのが午後5時ですから。

当然,飲まず食わずなわけでとりあえずご飯作って一緒に食べました。

 

「トイレはどうしたの?」と聞くと

「トイレはさ,あちこちの公園にあるから。」とこれまたけろっと答えてました。

こはちゃんと公衆トイレを利用してた訳か…そのへんで用足してなくてよかった。

まだそこまでひどくはないらしい…とちょっと安心。

 

認知症の父と「攻防」してるようじゃダメなんだよなあ。

わかってはいますが,直面すると感情が先走ってしまうもんですよね。

 

 

子育てもおんなじだったなあ

そして,テルモが来て激しい拾い食いしてたときもそうだったなあ

イライラしても何の解決にもならないどころか,逆効果なのはよくよくわかってる。

けど,できないジレンマに半べそになってたもんです

 

そんなとき,支えてくれたのは犬の学び舎のメンターであり,多くの学びを重ねた先輩たち,お仲間です。

 

認知症家族にも,そういうピアサポートありますよね。

でも,当分はそういう気分じゃない。

 

お世話になったヘルパーさん,ケアマネージャーさん

ご近所のお友だち,タクシーの運転手さん,公園近くで父を見つけて通報してくれたご親切なかた,交番のおまわりさん…あと,きっと気がつかないところでいろいろお世話になったみなさま

 

本当にどうもありがとうございました。

これからもますますたくさんの人たちにお世話になることでしょう。

 

人間ひとり,生まれてからこの世を去るまで

いろいろ難儀なもんですね。

 

さ,気を取り直してテルモとだらだら散歩します。

img src="photo.jpg" alt="大きなハルニレの木。高さ10メートルぐらいか?根元はいくつにも枝分かれして株立ちしている。"

テル散歩の公園でよく見ている大きなハルニレ(たぶん)

 

今日も読んでくだあってありがとうございました。